SEに未来はあるのだろうか

こんなことを思うようになったのは、今に始まったことではない。

私は社会人4年目。SE会社に勤めても4年目である。「SEに未来はあるのだろうか」と思ったのは、ちょうど2年目のことだ。
1年目は研修中心で、現場で働いたことはなかった。2年目になり、漸くプロジェクトにアサインされ、そこで初めて仕事を知った。

私が現場に入ったのは、要件定義から。しかし、2年目で初めての現場ということもあり、お客様と直接お話しすることはなかった。
私の仕事は、プロジェクトで初めて使用するフレームワークを用いたプロトタイプの作成だった。

はじめての仕事、はじめての技術、はじめての先輩、はじめての常駐。初めてで、知らないことばかりだった。

要件定義が工程として終わり、基本設計が工程として終わり、詳細設計が工程として終わり・・・・。そして製造へ。

時間はあっという間に過ぎ、それと共に各工程も終了する。次から次へと初めての仕事を任され、分からないことばかりだった。
しかし、そんな私でも1つだけ分かったことがあった。それは、工程が終わっても、顧客要求は止まらないということだ。まだ若かった私は、要件定義・基本設計が終われば、顧客要求はそこで止まり、詳細設計以降は「設計して、製造して、テストする」といった技術に閉じたことだけを考えれば良いと思っていた。

しかし、現実は違った。製造が終わり、テストも終わろうとしている際に、仕様変更がある。なぜだ。それは変更なのか、新規要求なのか。いったいどちらなのか。要件は要件定義終了時にフィックスしたのではないのか。何をもって、要件定義を終了したのか。
基本設計終了時に画面構成、デザインは決まったはずではないのか。なぜこのタイミングで変更が頻発するのか。
全てが分からないことばかりだった。ただ1つ、「工程とは、作り手(SE)がスケジュールを管理するためにあるだけであって、顧客にとっては存在すら意識されていない」ということ以外は。

それから2年が過ぎ、現在4年目。いまは、別のお客様の仕事に携わっている。今回は、要件定義フェーズから参画しているのではなく、詳細設計フェーズからの参画だ。2年という時間を経て、2年目の時よりスキルもあがった。仕事の進め方も上手くなったと思う。
しかし、工程によらず顧客要求は止まらないということは、変わっていない。
その要求を受け入れるがために、予定よりも工数を要し、結局期限内に終わらないという現実も変わっていない。

SEに未来はあるのだろうか。頑張れば、そりゃぁできないことはないよ。だけど、だけど、毎日遅くまで働き続けられる自信はない。5年後、10年後も同じ生活が続くことを想像すると、気が滅入る。