日経225のベーシス(先物価格−現物価格)について
2000年1月4日から2016年9月12日までのベーシス(日経225先物直近限月終値−日経225現物終値)を描いたのが次図。
これだと特徴が見えづらいので、期間を絞り込む。
2008年1月4日から2016年9月12日までのベーシスを描いたのが次図。
アベノミクス開始前までは3月、9月の配当時期に目立ったベーシスの拡大が見られる。
「先物理論価格=現物価格(1+短期金利*残存期間)−予想配当」
であるので、
「ベーシス=現物価格*短期金利*残存期間−予想配当」
「現物価格と先物価格 〜 3月末」でも述べたように、短期金利が殆ど0の場合、ベーシスは予想配当分だけマイナスとなる*1。
この周期性だが、アベノミクス開始後には見えづらくなっている。
通常時もベーシスが大きい。ベーシス拡大機会が増えたということは、裁定機会も増えたということだけど。
(追記)
「先物価格>先物理論価格」となった際に、先物価格が割高だと考えて「先物売り+現物買い」の買い裁定を行うのが正確な説明かもしれないが、ここではベーシスだけ考えている。
実際、お金を沢山持っていないので、例えばTOPIXを買うことが出来ない。
もしも、お金を沢山持っている場合でも、実際に裁定できるのかどうかは、自分は裁定業者ではないので、正確なところは分からない。
想像および周囲の話をもとにすると、裁定は大変とのこと。
例えば、次のようなコストが考えられる。
また、情報の伝播速度が(ITの発達に伴い昔と比較して)非常に上がったので、単純な裁定機会の獲得は厳しくなったと想像される。
仮に「先物価格>先物理論価格」となり、買い裁定機会が生じたとしても、手数料の面で有利なセルサイドのプロップが裁定取引をしてしまうので、その時点で裁定機会は解消されてしまうと考えられるだろう。