【証券外務員】16.オプション取引
前回の続き。
1.オプション取引とは、ある商品(原証券)を将来のある期日(満期日)までに、その時の市場価格に関係なくあらかじめ決められた特定の価格(権利行使価格)で売買することを契約する「買う権利」、又は「売る権利」を売買する取引である。
5.オプション取引において、満期日にのみ権利行使できるものをヨーロピアン・タイプという。
※)満期日までいつでも権利行使が可能なものを、アメリカン・タイプという。
6.オプションの売り方は、当初プレミアムを手に入れる代わりに、将来、権利行使があった場合に応じる義務があり、現物の価格変動リスクを、プレミアムを対価として引き受けていることになる。
7.コール、プットを問わず、オプションの売手は権利行使に応じる義務があるため、利益が限定、損失は無限定となる。
8.オプション取引によるヘッジと先物取引によるヘッジとの大きな違いは、オプション取引先物取引が価格変動リスクと同時に収益機会も消してしまうのに対して、先物取引オプション取引はリスク・ヘッジとリターン追求が同時に行える点である。
9.オプション取引では、原証券価格と権利行使価格の関係から、権利行使しても何も手に入らない状態を、イン・ザ・マネーアウト・オブ・ザ・マネーという。
11.イン・ザ・マネーアット・ザ・マネーやアウト・オブ・ザ・マネーの状態では、本質的価値は存在しない。
12.原証券価格が上昇すれば、コール・オプションのプレミアムは低くなり高くなる、プット・オプションのプレミアムは高くなる低くなる。
22.プロテクティブ・プットは、「原証券買い持ち+プットの買い」で作るポジションで、目先市場は調整局面になりそうだという予想に基づき、コストを支払ってもよいからダウンサイド・リスクのヘッジをしたい投資者に用いられる。
オプションの投資戦略 | 利益 | 損失 | 損益分岐の数 | 備考 | |
コールの買い | 無限定 | 限定 | 1 | 市場価格について強気の投資戦略 | |
バーティカル・ブル・コール・スプレッド | 限定 | 限定 | 1 | 市場価格について強気の投資戦略 | |
バーティカル・ブル・プット・スプレッド | 限定 | 限定 | 1 | 市場価格について強気の投資戦略 | |
プットの売り | 限定 | 無限定 | 1 | 市場価格について強気の投資戦略 | |
プットの買い | 無限定 | 限定 | 1 | 市場価格について弱気の投資戦略 | |
バーティカル・ベア・プット・スプレッド | 限定 | 限定 | 1 | 市場価格について弱気の投資戦略 | |
バーティカル・ベア・コール・スプレッド | 限定 | 限定 | 1 | 市場価格について弱気の投資戦略 | |
コールの売り | 限定 | 無限定 | 1 | 市場価格について弱気の投資戦略 | |
ストラドルの買い | 無限定 | 限定 | 2 | ボラティリティについて強気の投資戦略 | |
ストラングルの買い | 無限定 | 限定 | 2 | ボラティリティについて強気の投資戦略 | |
ストラドルの売り | 限定 | 無限定 | 2 | ボラティリティについて弱気の投資戦略 | |
ストラングルの売り | 限定 | 無限定 | 2 | ボラティリティについて弱気の投資戦略 |
23.有価証券(個別証券)オプション取引の取引対象である限月は、直近の2ヶ月及びそれ以外の3月、6月、9月、12月のうち直近2ヶ月の4限月取引である。
24.有価証券(個別証券)オプション取引は、取引開始日から取引最終日まで権利行使可能取引最終日のみ権利行使可能となっている。
※)ヨーロピアン・タイプである。
25.日経平均株価指数オプション(日経225オプション)の権利行使価格の間隔は、新規設定において250円刻み、追加設定においては、直近の3限月取引では125円刻みで、それ以外の限月取引では250円刻みである。
26.有価証券(個別証券)オプション取引指数オプション取引の最終決済は、差金決済により行われ、指数オプション取引有価証券(個別証券)オプション取引の最終決済は、権利行使価格でオプション対象証券(株券)の受渡が行われる。
28.日経平均株価指数オプション取引、TOPIX(東証株価指数)オプション取引は、最終取引日までいつでも権利行使可能最終取引日の翌営業日のみ権利行使可能なヨーロピアン・オプションである。