【証券外務員】7.債権業務

前回の続き。

3.超長期国債は、価格競争入札による公募入札方式のみにより発行される20年債、30年債は価格競争入札による公募入札方式、40年債はイールド(利回り)競争入札による公募入札方式で発行される。

(参考)

★公募入札
  (1)価格競争入札:価格競争入札コンペンショナル方式といい予めクーポンを決定し入札参加者は価格による入札の申し込みを行う。
  (2)イールド競争入札イールドダッチ方式といい、予め利率は示さずに入札者は利回りによる入札を行う。
  (3)定率公募入札:発行価格や利回りについて競争を行わない非競争型の入札方式です。予めクーポンと発行価格を決定して入札参加者は希望価格を申込む。


7.個人向け国債は、いずれも原則として2年間は1年間は中途換金できない。

9.新型窓口販売方式の国債を中途換金するときは、額面価格で国が買い取る金融商品取引市場で市場価格で売却することとなる。

10.物価連動国債は、物価の動向に連動して金利元金額が増減する国債である。
※)利率が年2回の利払日ごとに市場実勢に応じて変化する国債は、変動利付国債である。

11.物価連動国債の利払は年2回であるため、利払日に額面金額に想定元金額(物価上昇率に応じて増減後の元金額)に、表面利率の2分の1を乗じた金額が支払われる。

12.平成25年10月以降に発行された物価連動国債は、償還時に額面金額を下回って償還されることはない。
※)償還時の元本保証(フロア)が設定されているため、償還時の連動係数が1を下回る場合、額面金額で償還される。

14.財政法に第4条1項ただし書にもとづき発行される国債は、借換国債建設国債と呼ばれる。

18.金融債の発行方式には売出発行募集発行とがあり、売出発行は法人消化個人向けとし、募集発行は個人向け法人向けとなっている。

19.「ユーロ円債」とは、発行をヨーロッパに限定する円建債である日本国外(ユーロ市場)において発行される円建債である。

21.国内で発行されるCD(国内CD)は、金融機関が発行する譲渡可能な預金証書のことで金融商品取引法条の有価証券に含まれる有価証券ではない
※)CDについては、ここを参照。

25.引受会社とは、有価証券の発行に際し、これを売り出す目的をもって当該有価証券の発行者から全部、もしくは一部を取得する会社または当該有価証券を取得するものが無い場合に、その残部を取得する契約をする会社のことである。
※)前者を「買取引受け」、後者を「残額引受け」という。

26.国債の価格入札方式には、コンベンショナル方式とダッチ方式があるが、ダッチ方式は、落札者自らが入札した価格が発行条件となる落札者自らの入札価格にかかわらず、均一の発行条件となる

28.日本の社債発行には、様々な規制が存在し、発行条件は一定の方式に従って画一的に決められ、また、発行量の調整も行われている。様々な規制があったが、市場実勢に従って発行条件を決定する方式へ修正された

29.債権の起債方法のうち「スプレッド・プライシング方式」は、格付の高い社債を中心に採用され、投資家の需要状況を調査する際に、国債などの金利に対する上乗せ分(スプレッド)を提示することで、金利変化に対応すると同時に、きめ細かく投資家の需要を探ろうとするものである。

30.債権ブローカー債権ディーラーとは、主として金融商品取引業者(証券会社)やディーリング業務を行う登録金融機関であり、流通市場における中心的な担い手である。
※)債権ブローカーは、債権ディーラー間の売買だけを専門に取り扱う金融商品取引業者(証券会社)である。

31.債権の店頭取引にあたっては、金融商品取引業者が自由に価格を決めることができるので、上場銘柄であっても市場価格と大きく乖離することがある合理的な方法で算出された時価(社内時価)を基準として適正な価格による取引を行い、その取引の公正性を確保しなければならない。

33.日本証券業協会は、公社債の店頭売買を行う投資者および証券会社などの参考に資するため、指定する協会員からの報告に基づき売買参考統計値を毎週発表毎営業日する。

34.債券貸借取引には、担保の有無により無担保債権貸借取引代用有価証券担保付債権貸借取引現金担保付債権貸借取引(貸借レポ取引)の3種類の取引がある。

35.一般に景気が上昇過程に入ると、債権価格が上昇する債権価格は下落する。

36.一般に日本銀行が、買いオペをすると、金利は上昇金利は低下する。
※)買いオペとは、日本銀行公開市場操作のうち、日銀が市場で債権などを買い入れて資金供給すること等の金融緩和策である。金融緩和により、金利は低下し、債権価格は上昇する。

39.債権の発行体の信用力が上昇すれば、クレジット・スプレッドが縮小して、債権価格は上昇する。

41.債権の入替売買とは、同一の投資者がある銘柄を売るとともに別の銘柄を買うというように、同時に売り買いを約定する売買手法である。

42.ラダー型ポートフォリオダンベル型ポートフォリオとは、流動性確保のための短期債と、収益性追求のための長期債のみを保有するポートフォリオをいう。
43.ダンベル型ポートフォリオラダー型ポートフォリオとは、短期から長期までの債権を各年度ごとに均等に保有し、毎期、同じ満期構成を維持するポートフォリオをいう。

44.債権の現先取引とは、債権等の条件付売買取引ともいい、売買に際し同種、同量の債権等を、所定期日に所定の価額で反対売買することを、あらかじめ取り決めて行う債権等の売買をいう。

46.現先取引の対象となる債権は、国債、地方債、外貨建債権のほか、新株予約権社債は含まれないも含まれる。

47.着地取引とは、将来の一定の時期に、一定の条件で債権を受け渡しすることをあらかじめ取り決めて行う取引で、約定日から3ヶ月1ヶ月以上先に受け渡しする場合をいう。

48.転換社債型新株予約権付社債は、新株予約権が付いた社債のことであり、新株予約権とは、その所有者が一定期間内に請求を行えば、あらかじめ定められた価額(転換価額)で、その会社の株式を一定数量買い付けることができる権利をいう。

49.転換社債型新株予約権付社債は、新株予約権社債から分離して譲渡することができる分離できない(分離譲渡はできない)

51.転換社債型新株予約権付社債の利率は、普通社債より高く設定されている。普通社債より低く設定されている。

53.転換社債型新株予約権付社債の券種は、1銘柄について3種類まで発行できる。1銘柄について1種類殆どの銘柄が100万円券となっている。

55.パリティ価格とは、転換社債型新株予約権付社債社債部分の理論上の価格を計るためのものである。株価と転換価額から転換社債の理論上の価格を計るためのものである。

57.転換社債型新株予約権付社債時価と、パリティ価格との間に生ずる差を乖離という。

60.債権を購入した後、最終償還日まで所有することを前提とした場合の利回りを、応募者利回りという。最終利回りという。
※)応募者利回りとは、新規に発行された債権(新発債)を発行日に購入して償還期限(満期日)まで保有した場合の利回り。

・応募者利回り
=新規発行された債券を償還期限まで所有した場合の利回り
={表面利率+(償還価格−発行価格)/償還期限)} ×100 /発行価格
・最終利回り
=既発債を時価で購入して償還期限まで所有した場合の利回り
={表面利率+(償還価格−購入価格)/残存期間)} ×100/購入価格
・所有期間利回り
=債券を償還期限まで所有せず途中で売却した場合の利回り
={表面利率+(売却価格−購入価格)/所有期間)} ×100/購入価格
・直接利回り
=投資元本に対して毎年いくらの利息収入があるかを見る利回り
=(表面利率/購入価格)×100